開発ブログ
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同盟兵をめぐる概念的問題と、宝樹とソウルチェンジをめぐる設定的問題

2013年11月22日

皆さんこんにちは、「ラストクロニクル」世界観設定担当の滝舜一です。
ついに第二弾も発売間近! さらに先日、第二弾からの新能力である「ハーベスト」「ソウルチェンジ」の概要も明かされ、盛りあがりを見せている「ラスクロ」ですが、今日は第二弾の世界観設定に関して、いくつか書いていこうかと思います。
 まずは「同盟兵」という概念からです。こちらに関する質問でいちばん多いのは「勢力同士の友好関係について」ですね。具体的には、今現在イースラとバストリアが戦っているのに、「イースラの同盟兵」が場に存在するのはおかしいではないか、というような内容、イースラとグランドールが同盟関係なのに、そのイースラとバストリアがまた協力関係にあるのは、グランドールとバストリアとの関係に照らし合わせて矛盾が出るのでは? といった内容です。


 さて、ここについて説明させていただきますと、まず「ラストクロニクル」におけるユニットとは「クロノグリフの記述をソウルの力で実体化したもの」という設定があることにご注目いただければと思います。そのため、例えば今現在、青の勢力イースラと黒の勢力バストリアが戦っていたとしても、過去(厳密には「未来」も含め)の「両者の同盟関係」という概念がクロノグリフに記述されていれば、その記述にもとづき、「同盟兵」という特殊な兵種を戦場に召喚して戦わせることが可能なのです。この場合、いわば「同盟兵」は「ジャンヌ・ダルク」や「ヘラクレス」と同じように、別の時間軸・歴史軸から召喚されているもの、と考えていただいて結構です。いわば皆さんおなじみの(笑)ヒストリー「龍王の厄災日」と同様に「歴史的事実としてのクロノグリフの記載」を奇跡の力で実体化させて、戦場に呼び出しているといったイメージとなっているわけです。


 もっと具体的に言えば、こうなります――例えばアメリカと日本の関係は、数十年前は敵対関係でしたが、今はそうではありませんね。「ザインの使徒」であり、クロノグリフの力を多少なりともコントロールできるプレイヤーの皆さんは、その両国の歴史をまさに神のスケールで俯瞰しつつ、ユニットを使役することが可能です。そのため「旧日本軍の大日本帝国軍人」と「日米共同演習を行なっている現在の自衛隊」を同時に率いることができる、というような解釈で捉えていただければ幸いです。またどうしてもしっくりこない、という方は、勢力同士の友好関係は(我々の実際の歴史でも往々にしてそうであるように)個人や地方、時代やグループごとに差異がある、という風に想像していただいても大丈夫です。



 

次は「宝樹」と「ソウルチェンジ」についてです。この二つは第二弾から加わった新能力ですが、これらにもちょっとした設定はあります。「宝樹」は英魂の力を呼び覚まし、新たな英雄を導くとされ、クロノグリフの記述には存在するものの、アトランティカには古代の伝承としてしか伝わっていませんでした。このいわば伝説的存在が、現存するものとして再発見された時期が第二弾「英魂の讃歌」の舞台となっています。さてこの宝樹ですが、実はアトランティカの「その時期」に、本来存在していいはずのものだったのか、という疑問があります。実は誰かが「クロノグリフ」の記述を使って「この時期」のアトランティカに再現したものであるかもしれないわけですね。そう考えてみると、それがもたらす大きな力と出現タイミングには、何か秘密があるのではないか、という想像もできるわけです。また「ソウルチェンジ」については、英雄の中でも特に資質が高いものを一時的に亜神の地位にまで近づけ、奇跡の力を与えた上で、特殊な流れで戦場に呼び出す、といった「神降ろし」的なニュアンスを持った能力でもあります。そのためみだりに使用することはできず、ザインの使徒とソウルチェンジの力を秘めた者の共調関係が大事となってくる、といった設定になっています。ちなみに「ソウルチェンジ」の力を秘めた新たな英雄たちの出現も、多少なりとも宝樹の出現と関係があるかも、という部分があったりはします。このへんについては、11月29日発売予定の「ラストクロニクル 英魂の讃歌 公式ハンドブック」の世界観解説コラム内でも少し触れているので、ご興味があればご一読いただければと思います。


 そうそう、個人的にはプレイヤーの皆さんのご要望があれば、こういった「ラスクロ」の世界観に関する部分や英雄たちの普段の生活を描くショートストーリーなど、どこかのタイミングで何かしらの形で発表できれば、と思っております。まあ、当分は第二弾のプレイや今後の弾のための、雑多な作業に追われることになりそうですが……。
 それではひとまず、今日はこのへんで! レッツ・メイク・ザ・ヒストリー!(『マスタートウリョウ キズキと歴史を造るデッキ』を作成しながら)


2013年11月22日
「ラストクロニクル」世界観設定担当
滝 舜一